✅【腎臓病の4つの症状パターン】

2025年05月17日 13:08

① 出せないパターン(老廃物や水分が排出されない)
・原因:腎臓のろ過機能が低下し、体内に不要な物質や水分が蓄積。

・主な症状:

 ・疲れやすい(体内に毒素がたまる)

 ・吐き気(尿毒症の初期症状)

 ・むくみ(水分が体にたまる)

・対象者:eGFR(腎機能の指標)が30以下〜15前後の人(かなり進行した腎不全)。

・注意点:こうした症状は重症期に現れることが多く、軽症では他の病気(例:甲状腺疾患)の可能性も考える必要があります。

② 出ていってしまうパターン(必要な物質が尿に漏れる)
・原因:腎臓のフィルターが壊れ、タンパク質などの重要な成分が尿中に漏れ出す。

・主な症状:

 ・尿の泡立ち(タンパク尿)

 ・むくみ(血中タンパク低下により、血管外に水分が漏れ出す)

・対象者:eGFRが正常でも発症しうる(比較的軽症でも見つかる)。

・対応法:気になる場合は市販の尿試験紙でセルフチェックも可能。特に尿の泡立ちが長く続くときは検査を推奨。

③ 調整できないパターン(腎臓のホルモン機能異常)
・原因:腎臓が分泌・活性化するホルモン機能の障害。

・主な症状(長期間で進行):

 ・貧血(造血ホルモン〈エリスロポエチン〉が不足)

 ・高血圧(塩分・水分の調節がうまくいかない)

 ・骨がもろくなる(ビタミンDの活性化障害によるカルシウム代謝異常)

・特徴:数年単位で進行するため、早期発見と予防が極めて重要。

④ その他(腎臓以外の構造に由来する問題)
・例:尿管結石による背中や脇腹の痛み

 ・腎臓そのものが痛むのではなく、尿の流れが詰まり腎臓が腫れることで痛みが出ます。

・対処:超音波検査(エコー)で確認可能。

❗【最も重要なポイント】
● 腎臓病の最大の症状は「無症状」
腎臓病は初期には症状がまったく現れません。
そのため、健康診断で「クレアチニンが高い」「eGFRが低い」と指摘された場合、自覚症状がなくても精密検査が必要です。

🔍【腎機能の低下は“結果”である】
腎臓病はしばしば、以下のような他の病気の結果として発症します:

・高血圧

・糖尿病

・自己免疫疾患(例:IgA腎症、ループス腎炎 など)

したがって、腎臓だけでなく、原因疾患の症状・検査にも注意を払う必要があります。

💡【腎臓病は全身疾患】
腎機能が低下すると、以下のように全身に影響を及ぼします:

・貧血 → 心臓に負担 → 心不全のリスク増加

・骨がもろくなる → 骨折・骨粗鬆症の危険性

・血圧異常 → 脳卒中・心筋梗塞のリスク上昇

📝【まとめ】
・腎臓病の症状は、以下の4つのパターンで整理できます:

 1.老廃物や水分が出せない

 2.タンパク質などが出ていってしまう

 3.ホルモンなどの調整ができない

 4.その他(周辺の構造による影響)

・初期は無症状のため、健康診断の数値に注目し、症状がなくても油断しない。

・軽症でも見逃さず、定期的な検査と生活習慣の見直しが重要。

・症状が出てからでは手遅れになる可能性もあるため、早期発見・早期対応が鍵です。

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