1.従来の認識
・糖尿病患者は血糖値が高いと腎臓や血管が傷むと考えられてきた。
・しかし「血糖値が高いから血管が痛む」仕組みは完全には解明されていない。
・現在の治療方針は、血糖値を下げれば血管障害を防げるという前提に基づいている。
2.最近の研究でわかってきたこと
・カロリンスカ研究所などの報告によれば、血管障害の直接的原因は血糖値ではなく「赤血球」そのものが血管に悪影響を与えている。
・赤血球は酸素運搬だけでなく、血管内皮細胞と情報をやり取りし、血管の健康を維持するシグナルを送っている。
・糖尿病では赤血球からのシグナルが異常になり、血管を痛める。
3.赤血球の異常メカニズム
・重要な因子は「MIR210(マイクロRNA)」。
・通常、MIR210は血管保護に働くが、糖尿病患者の赤血球ではMIR210が減少する。
・MIR210を補充すると血管機能が回復することが確認されている。
4.糖尿病の期間が鍵
・発症直後(1年未満)の赤血球は血管をほとんど傷めない。
・長期間(7年以上)の糖尿病では赤血球が血管障害を引き起こす。
・つまり「糖尿病である期間」が血管障害のリスクを決める重要因子である。
5.実践的な示唆
・血糖値を単に管理するだけでは不十分。
・発症直後から薬や生活習慣改善で「糖尿病でない状態」をなるべく早く作ることが重要。
・運動や野菜・果物の摂取による抗酸化物質の補給が血管保護に有効である。
まとめ
・血管障害は血糖値だけでなく、糖尿病期間と赤血球の異常シグナル(MIR210低下)が関わる。
・発症初期に適切な介入を行えば、血管障害を予防できる可能性が高い。