腸のお話

今、あなたが口にしているものが、
5年後.10年後のあなたの体を
作り上げています。

動物が進化の過程で
最初にできた臓器は腸であり、
最も健康の基本となるのも腸なのです。

いくらビタミンやミネラル、
漢方薬を飲んでも、
基盤となる腸が乱れていては
効果がうまく発揮されません。
まずは腸を見直す必要があります。

3歳までの腸内環境が、
将来の健康のベースになる!!

腸内環境は、
将来の健康の基盤を
築く重要な要素です。

成人の体重の1~1.5kgは
腸内細菌によって
構成されており、
これらの細菌は体内で
生成できないビタミンを供給し、
免疫機能を調整する重要な役割を
果たしています。

これらの腸内細菌なしでは
健康に生きることは難しいのです。

近年の研究では、腸内細菌が
アレルギーの発症、肥満、うつ病などに
深く関わっていることが
明らかになっています。

そのため「腸内細菌の多様性を高める」
ことが非常に重要です。

この多様性を形成するためには、
特に3歳までの生活や食事が
重要な役割を果たします。

赤ちゃんは、出産時に産道を通ることで
母親の菌を取り込み、
その後もさまざまな物や人に触れたり、
空気中の菌を吸ったり、
砂遊びをすることで自然界の菌を
体内に取り入れます。

このようにして、腸内フローラの多様性が
育まれます。

最新の研究では、腸内細菌の偏りが肥満、
糖尿病、うつ病などの病気と
関連していることが報告されています。

そのため、腸内環境の多様性を
保つことが健康を維持するために
必須とされています。

善玉菌を補い育てる!
『補菌」と「育菌」

3歳までに腸内細菌の住人が
ある程度決まると
お話ししましたが、
3歳を過ぎると定着するのは
難しくなりますが、
毎日の補菌と育菌で
腸内環境の改善は可能です。

そのためには、以下のポイントを
実践することが大切です。

1. 多種多様な善玉菌を摂取する(補菌)

ビフィズス菌や乳酸菌などの
善玉菌を含む食品を
積極的に取り入れましょう。

ヨーグルトや納豆、
キムチなどの発酵食品は、
腸内フローラの多様性をサポートします。

2. 善玉菌の餌となる食物を摂取する
       (育菌)

オリゴ糖や食物繊維を含む食品を
毎日摂取することが重要です。

これらは善玉菌のエサとなり、
腸内での活動を活発にします。

例えば、バナナや玉ねぎ、豆類などが
オリゴ糖を豊富に含んでいますし、
野菜や果物、全粒穀物などが
食物繊維の良い源です。

3. 継続的な摂取がカギ

善玉菌とその餌となる食品を
定期的に摂取することで、
腸内環境を良好に保つことができます。

短期間での改善は難しいため、
日常的に意識して取り入れることが大切です。

腸内環境の改善には
時間がかかることがありますが、
継続的に善玉菌とその餌を
摂取することで、
腸内フローラのバランスを整え、
健康を維持する助けになります。

腸内細菌の黄金比率

【善玉菌 2:悪玉菌 1:日和見菌 7】

※発酵食品や食物繊維を摂ると
ガスがたまったりして調子が悪くなる方!

腸がカビ菌に侵されている
可能性があります。

その時は、まず発酵食品や
食物繊維を控えて下さい。

これらは善玉菌の餌になりますが、
カビ菌の餌にもなります。

カビ菌を退治してから摂取しましょう。

~カビ菌退治に良いとされる食材~
・純粋なリンゴ酢・大根おろし
・にんにく・オレガノオイル
・ココナッツオイルなど

腸を知ると、身体の見え方が変わる

「なんとなく身体がすっきりしない」
「疲れやすい」
「お腹の調子が安定しない」
「睡眠やストレスが気になる」
「年齢とともに体調の変化を感じる」

そんなとき、
あなたはどこに原因があると考えますか?

私たちは症状が出ると、
つい「症状が出ている場所」だけに
目を向けてしまいます。

でも、身体はそれぞれの臓器が
独立して働いているわけではありません。

なかでも近年注目されているのが、
「腸と全身のつながり」です。

腸内環境は、消化や排便だけでなく、
免疫・神経・ホルモン・代謝など、
さまざまな身体の働きと関係している
ことが分かってきています。

根っこを治す

表面の疾患ばかり診ても、
本来の原因は根っこに潜んでいるものです。

腸は、全身とつながっている

腸には、膨大な数の細菌を
はじめとする微生物が存在しています。

これらは
「腸内フローラ(腸内細菌叢)」と呼ばれ、
食べたものを利用しながら、
さまざまな物質をつくっています。

その働きは腸の中だけにとどまりません。

 ●腸 × 脳・神経
 ●腸 × ホルモン
 ●腸 × 免疫
 ●腸 × 睡眠
 ●腸 × 代謝

このように、
腸と身体のさまざまな機能との関係に
ついて研究が進められています。

だから「腸を整える」ということは、
単に便通を良くすることだけではないのです。

① 腸と脳・神経

「緊張するとお腹が痛くなる」
          のはなぜ?

大切な予定の前になると、
お腹が痛くなる。

強いストレスを感じると、
便秘や下痢になる。

反対に、お腹の調子が悪い日には、
なんとなく気分まですっきりしない。

こうした経験がある方もいる
のではないでしょうか。

実は、
腸と脳は神経・ホルモン・免疫などを介して、
双方向に情報をやり取りしています。

これを、

「腸脳相関(Gut-Brain Axis)」

といいます。

つまり、

脳の状態が腸に影響し、
腸の状態も脳と相互に関係している。

腸と心身の状態を完全に切り離して
考えることはできません。

② 腸と「幸せホルモン」セロトニン

気分や感情との関係で
よく知られているのが「セロトニン」です。

一般に「幸せホルモン」と
呼ばれることもあります。

実は、
体内に存在するセロトニンの大部分は
消化管に存在しています。

ただし、
腸のセロトニンがそのまま脳へ移動して
「幸せな気持ちをつくる」という
単純な仕組みではありません。

腸内細菌やその代謝物、
神経、免疫などを介した
腸と脳の複雑な関係が研究されています。

「心の問題だから腸は関係ない」

「腸の問題だから脳は関係ない」

そう単純に分けるのではなく、
身体全体のつながりを見ることが大切です。

③ 腸とストレス

ストレスを感じたときに
分泌される代表的なホルモンのひとつが
「コルチゾール」です。

慢性的なストレスは、
自律神経や腸の運動、腸管バリア、
腸内細菌叢などに影響を
及ぼす可能性があります。

そして腸内環境の変化もまた、
神経・免疫などを介してストレス応答と
関係すると考えられています。

だからこそ、

ストレスだけを見るのでもなく、
腸だけを見るのでもない。

食事・睡眠・運動・ストレスなどを含めて、
身体全体を見ることが重要なのです。

④ 腸とホルモン

腸内細菌は、
ホルモンの代謝とも関係しています。

特に注目されているもののひとつが、
女性ホルモンである
エストロゲンとの関係です。

腸内細菌が持つ酵素は、
エストロゲンの
代謝や再吸収に関係しています。

このような腸内細菌の集まりや機能は
「エストロボローム」と呼ばれ、
女性の健康との関連について
研究が進められています。

ホルモンの状態には
非常に多くの要因が関係するため、
すべてを腸だけで
説明することはできません。

それでも、
身体を総合的に考えるうえで、
腸は無視できない存在なのです。

⑤ 腸と免疫

腸は身体を守る最前線

腸は毎日、食べ物をはじめ、
外から入ってくるさまざまな
物質と接しています。

そのため腸には、
多くの免疫細胞が存在しています。

腸には「腸管関連リンパ組織(GALT)」と
呼ばれる免疫システムがあり、
腸内細菌とも相互作用しながら
身体を守っています。

ここで重要になるのが、

「必要なものは取り込み、
     不要なものの侵入を防ぐ」

という腸管バリアの働きです。

⑥ 「リーキーガット」って何?

健康な腸では、
腸の粘膜がバリアとなり、
腸の中と身体の中を隔てています。

ところが、
さまざまな要因によってこの
バリア機能が低下し、
腸管の透過性が高まることがあります。

一般に「リーキーガット」と
呼ばれることがありますが、
医学・研究領域では腸管透過性亢進
という現象として扱われます。

腸管バリアと炎症やさまざまな疾患
との関連について研究が進められています。

⑦ 腸内細菌がつくる「短鎖脂肪酸」

腸の健康を考えるとき、
ぜひ知っておきたいのが、

短鎖脂肪酸

です。

腸内細菌は、
食物繊維などを発酵させることで、

酪酸・酢酸・プロピオン酸

などの短鎖脂肪酸をつくります。

なかでも酪酸は大腸の細胞に
とって重要なエネルギー源となります。

短鎖脂肪酸は、腸管バリアや免疫、
代謝などとの関係についても
研究されています。

そのため
「どんな菌がいるのか」だけではなく、

「その菌たちが、
  腸の中で何をつくっているのか」

という視点も大切です。

⑧ 腸と睡眠

「睡眠不足が続くと、お腹の調子も悪くなる」

そんな経験はありませんか?

睡眠と腸内環境の関係についても、
さまざまな研究が進められています。

睡眠不足や生活リズムの変化が
腸内細菌叢に影響する可能性が
ある一方で、
腸内細菌と睡眠との関連も
研究されています。

つまり、

食事だけ整えれば腸は健康になる

とは限りません。

睡眠、運動、ストレス、生活リズム
なども含めて考える必要があります。

こんなお悩みはありませんか?

 ●便秘や下痢を繰り返す
 ●お腹が張りやすい
 ●食後にお腹が苦しくなる
 ●以前より疲れやすくなった
 ●睡眠や生活リズムが気になる
 ●ストレスを感じると
  お腹の調子が変わる

こうした状態には、
腸が関係しているのかも知れません。

⑨ 腸と脳・認知機能

さらに研究が進んでいるのが、
腸内細菌と脳機能との関係です。

腸内細菌がつくる代謝物や
免疫反応、炎症などが、
脳とどのように関係しているのかが
研究されています。

「この食品を食べれば大丈夫」
「この菌を摂れば大丈夫」

という単純な話ではありません。

大切なのは「根っこを見る」という視点

身体に現れている症状は、
結果のひとつかもしれません。

その背景には、

食生活、睡眠、運動、ストレス、
加齢、服薬、生活習慣など、
さまざまな要因があります。

そして腸内環境も、そのひとつです。

目の前の症状だけを見るのではなく、

「なぜ、この状態になっているのだろう?」

と身体全体を見つめ直す。

それが、
健康を考える第一歩ではないでしょうか。

まず、自分の腸を知ることから

健康情報があふれている今、

「ヨーグルトがいい」
「発酵食品がいい」
「食物繊維を摂ったほうがいい」

と聞いて、
いろいろ試している方も多いと思います。

もちろん、
これらが役立つ場合もあります。

しかし、
腸内環境や身体の状態は
一人ひとり異なります。

大切なのは、流行している健康法を
次々と試すことではなく、

自分の身体を知り、
自分に必要なことを考えること。

腸を知ることは、
自分の身体を知ることにつながります。

不調に悩んでいる方も、
今の健康をこれからも守っていきたい方も。

まずは「腸を知ること」から始めてみませんか?

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