1. 平均身長の推移
・明治時代から1980年までは栄養・衛生の改善で身長が伸びた(約15cm)。
・1980年生まれ以降、平均身長が徐々に低下してきている(男性で約1.5cm、女性で約0.6cm)。
2. 主な原因:低出生体重児(2500g未満)の増加
・低出生体重児が増えると、成長が遅れ、結果として将来の身長も低くなりやすい。
3. 低出生体重児の最大の要因:歯周病
・妊婦の免疫低下、食生活の乱れにより歯周病菌が繁殖。
・歯周病によって「プロスタグランジン」という物質が増え、子宮を収縮させ、早産を引き起こす。
・早産により低出生体重児が生まれやすくなる。
4. 歯周病と妊娠糖尿病の関連
・歯周病菌が出す毒素により、免疫反応で炎症性サイトカイン(腫瘍壊死因子など)が発生。
・これがインスリン抵抗性を高めて妊娠糖尿病を引き起こし、赤ちゃんに十分な栄養が届かず、発育遅延に。
5. 亜鉛不足も影響
・歯周病やつわりによって柔らかい物しか食べない → ミネラル、特に亜鉛が不足。
・亜鉛は成長ホルモン・性ホルモンの産生に重要。欠乏すると子どもの身長が伸びにくくなる。
■ まとめ
・歯周病は早産や妊娠糖尿病を引き起こし、低出生体重児の増加につながる。
・低出生体重児は将来的に低身長になる傾向がある。
・日本人の平均身長の低下は「歯周病」や「栄養不足(特に亜鉛)」と深く関係している。
■ 対策
・妊娠中は口腔ケア(歯磨き・フロス)をしっかり行い、バランスの良い食事を心がける。
・歯周病予防と栄養管理が、子どもの健やかな成長に重要。