慢性的な痛みの新たなアプローチ

2025年08月02日 12:39

✅ 従来の痛み治療の限界
・腰・膝・肩などの慢性的な痛みは、局所治療(薬、リハビリ)に頼ることが多い。

・しかし、近年の研究では「脳と腸が痛みに深く関与している」ことが明らかになってきた。

■ 【研究①】腸内細菌と慢性痛の関係(カナダ・マギル大学など)
・対象:CRPS(複合性局所疼痛症候群)という慢性痛の難病患者。

・内容:患者の腸内細菌パターンをAIで解析したところ、90%以上の精度でCRPS患者を識別できた。

・発見:

 ・国や食生活に関係なく、CRPS患者に共通する腸内細菌の特徴がある。

 ・怪我が引き金だが、もともとの腸内環境に「なりやすさ」の素因がある可能性。

 ・腸内細菌のパターンは、痛みが消えた後も残る。

■ 【研究②】感情と痛みの関係(豪・ニューサウスウェールズ大学)
・方法:感情コントロールの心理療法(Pain & Emotion Therapy)を8回実施(オンライン+自主トレーニング)。

・結果:

 ・痛みのスコアが平均10点軽減(慢性痛においては「半減」に相当)。

 ・特に腰痛・胃腸の痛みの改善が顕著。

 ・感情を正しく認識・表現・クールダウンすることで痛みも緩和される。

・背景:

 ・慢性痛患者の約8割が、不安・うつを併発。

 ・負の感情 → 脳に影響 → 痛み増幅 → さらに不安や抑うつ、という悪循環がある。

■ 総まとめ:脳・腸・感情すべてが「痛み」に関係している
・痛み = 体のどこかの問題ではなく、脳や腸、心理状態など全身のバランスの問題。

・ストレスや悪い腸内環境は、痛みを感じやすくする。

・AIによって、今後さらに腸内環境と痛みの関係が解明されていく可能性。

■ 今できる対策
・加工食品・高脂肪・高糖質など、腸内環境を乱す食生活は避ける。

・深呼吸・感情表現などを通じて、心のセルフケアを行う。

・痛みへの対処は、薬や治療だけでなく、「腸と心のケア」が重要。

🔚 メッセージ:
「痛み=患部だけの問題ではない」。
腸と心を整えることで、今抱えている痛みも改善できるかもしれません。

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