● 基本的な結論
・生野菜も加熱野菜も両方大切。
・食材によって、加熱で栄養が失われるものもあれば、逆に吸収が良くなる栄養素もある。
● 栄養素の特徴と吸収率
・ビタミンC:水溶性で熱に弱く、加熱で減少しやすい。
・リコピン(トマト):加熱により吸収率が 1〜3割向上。
・βカロテン(ニンジン):
・加熱で吸収率が 約1.5倍 に上がる。
・特に油と一緒に調理すると吸収がさらに良くなる。
● 食事スタイルごとの栄養吸収
・ヨーロッパの研究では、野菜をたくさん食べても生ばかりだと吸収率は伸びにくい。
・例:生野菜17皿グループと、普通の4皿グループで血中βカロテンの差がほぼなかった。
・最も効率が良かったのは「生と加熱をバランス良く7皿食べていたグループ」。
● ローフード(生中心)・ビーガンの注意点
・極端なローフードやビーガン食は、以下の栄養素が不足しやすい:
・ビタミンB12、ビタミンD、カルシウム、タンパク質、鉄、亜鉛、セレンなど。
・ビタミンB12の欠乏は、動脈硬化のリスクを高めるホモシステインの増加につながる。
・ビーガンを実践する場合は、B12などをサプリメントで補うことが必須。
● 子どもへの注意点
・成長期の子どもには生中心の食事は不向き。
・少量で満腹になるため、カロリー・栄養不足になる可能性がある。
・成長や骨密度、月経の異常など健康リスクが生じることも。
● 植物の酵素について
・生の植物に含まれる酵素は、胃の強い酸でほとんど働かなくなる。
● 最後に
・生と加熱、両方のメリットを活かしながらバランスよく食べることが重要。
・偏らず、動物性食品も含めた多様な食事が体にとってベスト。
・特に「極端な食事法」は栄養の偏り・健康リスクがあるので注意が必要。