認知症は早期発見・早期対応が重要です。
「認知症になると出てくる言葉」
とその背景・対策
■ 最も多いのは
アルツハイマー型認知症
脳の神経細胞に
「アミロイドβ」という物質がたまり、
神経のつながりがうまく働かなくなります。
その結果:
●新しいことを覚えられない
●記憶が抜け落ちる
●判断力が低下する
🔟 認知症で出てくる言葉
🔶 背景
●記憶障害
●新しい記憶が定着しない
🔶 物忘れとの違い
●物忘れ : 朝ごはん何だっけ?
●認知症 : 朝ごはん食べてない
🔶 家族のNG対応
❌「さっき言ったでしょ!」と怒る
怒られるとストレスホルモン
(コルチゾール)が増え、
症状が悪化する可能性があります。
🔶 対応のコツ
●症状と割り切る
●何度でも穏やかに答える
●愚痴を吐ける仲間を持つ
🔶 背景
見当識障害
(時間・場所・人がわからなくなる)
進行順:
1.いつ?
2.ここはどこ?
3.あなた誰?
🔶 進行すると
●夜中に仕事へ行こうとする
●家なのに「家に帰りたい」
●徘徊
🔶NG対応
❌「ここは家でしょ!」と否定
本人にとっては本当にわからず、
不安でいっぱい。
🔶 対応のコツ
●まず受け止める
●否定せず安心させる
●ワンクッション置いて説明
🔶 背景
判断力低下・実行機能障害
例:
●箸の使い方がわからない
●何をどうすればいいか判断できない
🔶 NG対応
❌「自分で考えてよ!」
🔶 対応のコツ
●選択肢を絞る
●❌「何食べたい?」
●⭕「カレーと牛丼どっち?」
●一つずつ指示する
🔶 背景
体内時計の乱れ(昼夜逆転)
●夜中に活動
●朝と夜の区別がつかない
🔶 対策
●日中カーテン全開で光を入れる
●夜は暗くする
●白内障があれば治療
※限界なら医師に相談し、
薬を使うのも選択肢。
🔶 背景
幻視(幻覚)
特にレビー小体型認知症で多い。
●虫が見える
●誰かがいる
●ワニがいる
🔶 NG対応
❌「そんなのいない!」
🔶 対応のコツ
●まず共感:「怖いね」
●一緒に対処する演出
●本人の世界を一旦受け止める
🔶 背景
物盗られ妄想
●財布がなくなる
●家族が盗ったと確信する
🔶 妄想とは?
「あり得ないことを確信すること」
🔶 NG対応
❌「取るわけないだろ!」
🔶 対応のコツ
●一緒に探す
●見つかっても責めない
●「一緒に整理しようか」と前向きに
🔶 背景
強い不安・焦り
●仕事に行かなきゃ
●実家に帰る
本人は「使命感」で動いています。
🔶 NG対応
❌ 正論で否定
🔶 対応のコツ
●使命感を認める
●中長期戦と考える
●周囲に相談する
🔶背景
前頭葉の障害
感情コントロール低下
●怒鳴る
●性格が変わる
●抑制が効かない
これは「人格」ではなく
「脳の変化」です。
❌ NG対応
1.言い返す・正論で押さえつける
●「何怒ってるの!」
●「いい加減にして!」
→ 火に油を注ぐ
2.人格として否定する
●「そんな人じゃなかったのに」
●「おかしくなった」
3.その場で説得し続ける
→ 興奮中は理屈が通りません
4.真正面から見つめ続ける
→ 威圧に感じることがあります
⭕ 対応のコツ
まず“安全確保”
●危険物を遠ざける
●少し距離を取る
●周囲に助けを求める
あなたが危険を感じるなら、
無理はしないでください。
🔶 背景
多くは 見当識障害 や強い不安から来ています
●自宅にいるのに「家に帰りたい」
●施設で「家に帰る」と言う
●亡くなった両親のいる実家に帰ろうとする
これは“場所”に帰りたいのではなく、
安心できた時間や記憶に帰りたい
という気持ちの表れです。
脳の記憶は
●新しい記憶 → 失われやすい
●古い記憶 → 比較的残りやすい
そのため、子ども時代や若い頃の
「実家」が現実になります。
❌ NG対応
●「ここが家でしょ!」
●「もうお母さんは亡くなってるよ」
→ 強い不安と混乱を増やします。
⭕ 対応のコツ
1.まず気持ちを受け止める
「帰りたいよね」
2.安心させる言葉を添える
「少し休んでからにしようか」
3.話題をやわらかく切り替える
目的は“説得”ではなく“安心”です。
これはとてもつらい言葉です。
🔶 背景
●できない自分への絶望
●周囲に迷惑をかけているという思い
●抑うつ症状
特に
アルツハイマー型認知症の初期には、
「自分の衰えに気づく時期」があります。
そのため、
●「情けない」
●「生きていても仕方ない」
という言葉が出ることがあります。
❌ NG対応
●「そんなこと言わないで!」
●「大げさだよ」
→ 気持ちを否定されると
孤独感が増します。
⭕ 対応のコツ
1.まず受け止める
「つらいよね」
2.否定せず共感する
3.医療機関に相談する
抑うつが強い場合、
薬で楽になるケースもあります。
① 3つ以上当てはまるなら早期受診を
怖がらせるためではなく、
「今がチャンス」です。
② 介護者が壊れないことが最優先
●完璧を目指さない
●愚痴を吐いていい
●薬の力を借りてもいい
●近所や自治体に頼っていい
介護は短距離走ではなく、長距離戦です。
怒りたくなるのは、
それだけ真剣に向き合っている証拠です。
あなたは冷たくありません。
むしろ、とても優しい人です。
認知症は「敵」ではなく、
脳の病気です。
一人で抱え込まず、
少しずつ、できることから始めましょう。