🔍 慢性痛ってなに?

2025年09月16日 18:07
カテゴリ: 関節・ひざ痛み

慢性痛(まんせいつう)とは、

・3か月以上続く痛みのこと。

・最初はケガや炎症などが原因だけど、原因がなくなっても痛みが残ることが多い。

・神経が敏感になって、必要以上に「痛い」と感じてしまう体になっている。

・ストレスや不安などの心の状態や、仕事・家庭などの社会的なことも関係してくる。

🧠 慢性痛が続く理由(体の仕組みから見た場合)
① 末梢感作(まっしょうかんさ)

 ・ケガや炎症があると、その周りの「痛みセンサー」が敏感になる。

 ・普通なら痛くない触れ方でも「痛い」と感じてしまう。

② 中枢感作(ちゅうすうかんさ)

 ・脳や脊髄(せきずい)にある「痛みを感じる回路」が敏感になってしまう。

 ・ケガはもう治っているのに、「痛みの記憶」だけが残っている状態。

 ・脳の一部が変化して、痛みを強く感じ続けてしまう。

③ 神経のクセ(神経可塑性/しんけいかそせい)

 ・神経は「クセ」がつきやすい。

 ・痛みが長引くと、痛みを感じやすい体のクセができてしまう。

④ 心と社会の影響(バイオ・サイコ・ソーシャルモデル)

 ・不安やストレス、人間関係の悩みなども、痛みを強める原因に。

 ・「痛み → 動けない → 不安・落ち込み → さらに痛い」という悪循環が起こりやすい。

🔧 痛みをやわらげる方法(体の仕組みに基づいて)
1. 🧠 「痛みの再教育」

 ・痛みは「危険を知らせるアラーム」だけど、誤作動することもある。

 ・「もう危険じゃないよ」と脳に教えなおす。

例:

 ・痛みの仕組みを説明して安心させる(痛み教育)

 ・鏡を使ったリハビリ(鏡療法)

 ・痛くない動きを少しずつ行う

2. 🧘‍♂️ リラックス神経(副交感神経)を高める

 ・痛みで体がずっと緊張していると、余計に痛くなる。

 ・「リラックス神経(パラシンパティック)」を活性化させて、体をゆるめる。

例:

 ・腹式呼吸・深呼吸

 ・ゆっくりしたストレッチ

 ・瞑想やマインドフルネス

3. 🏃‍♀️ 少しずつ動かすリハビリ

 ・脳に「動いても大丈夫」と覚えさせるために、少しずつ運動する。

例:

 ・動いても痛みが出ない範囲で運動(グレーデッドエクササイズ)

 ・関節の動きをスムーズにする運動

 ・バランスよく筋肉を使うようにする

4. ✋ 「体の地図」を整える

 ・脳の中には「体のどこがどこか」の地図がある。

 ・痛みが長く続くとこの地図がぼやけて、変な動きや違和感が出る。

 ・触覚や動きで、体の感覚をはっきりさせる。

例:

 ・肌へのやさしい刺激(ブラシ・温冷刺激)

 ・指を使った細かい動き(足指グーパーなど)

5. 🔍 体のチェック(解剖学の視点から)

 ・筋肉・関節・神経のどこに原因があるのか、しっかり評価する。

見るポイント:

 ・神経の通り道に沿った痛みやしびれがあるか

 ・筋肉のコリやトリガーポイントがあるか

 ・姿勢や動きに左右差があるか

✅ まとめ:どうやって慢性痛を改善するか?
  見る場所              方法
筋肉・関節・神経(末梢) / ストレッチ・筋膜リリース・筋トレなど
脳・神経の働き(中枢) / 痛みの教育・イメージ療法・深呼吸
体全体と心(全身)    / 少しずつ動かす・安心できる環境づくり

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