① 従来の考え方
・コーヒーに含まれるカフェインは心臓を刺激し、不整脈を悪化させると考えられてきた
・そのため、心臓病や不整脈のある人には「コーヒーは控えめに」と指導されることが多かった
② 2025年発表「ディカフ試験」の概要
・対象:心房細動(不整脈の一種)を持つ高リスク患者200人
・方法:
・コーヒー継続群(1日1杯以上のカフェイン入り)
・カフェイン断ち群
・半年間追跡
・結果:
・コーヒーを飲まなかった群:不整脈再発 64%
・コーヒーを飲んだ群:不整脈再発 47%
→ コーヒー摂取で再発リスクが約39%低下
③ なぜカフェインが心臓に良い可能性があるのか
・心臓には「アデノシン受容体」があり、
アデノシンは心臓の電気信号を不安定にする作用がある
・カフェインはアデノシン受容体をブロック
→ 心臓の電気活動が安定し、不整脈が起こりにくくなる
・同じ作用が「眠れなくなる原因」にもなるため、時間帯には注意が必要
④ コーヒーに含まれるその他の健康成分
・ポリフェノール(クロロゲン酸):抗酸化作用
・マグネシウム:心臓リズムの安定に関与
・トリゴネリン:インスリン抵抗性を改善、糖尿病リスク低下
・フィトエストロゲン:
・閉経後女性の血管を柔らかく保つ可能性
・動脈硬化リスク低下の報告あり
⑤ 行動面でのメリット
・コーヒーを飲む人は
1日の歩数が約2,000歩多いという研究結果あり
・活動量増加 → 心血管健康にプラス
⑥ 注意点・飲み過ぎのリスク
① 睡眠
・コーヒー摂取で平均睡眠時間が約36分短縮
・午後遅い時間の摂取は注意
② 骨への影響(特に女性)
・1日2~3杯:問題なし
・5杯以上:骨密度低下のリスク
(カフェインによるカルシウム排泄が影響)
⑦ 心臓にやさしいコーヒーの飲み方
・おすすめ
・ペーパーフィルター使用のドリップコーヒー
・インスタントコーヒー
・注意
・フレンチプレス、トルココーヒー、エスプレッソ
→ LDLコレステロールを上げる脂質(ジテルペン)が残りやすい
⑧ 飲むタイミング
・朝~昼までがベスト
・カフェイン代謝は個人差が大きいため
「自分が何時までなら眠れるか」を基準に調整
⑨ 結論
・1日1杯程度のコーヒーは、不整脈や心臓病があっても必ずしも避ける必要はない
・むしろ、適量であれば
・不整脈再発リスク低下
・活動量増加
・心血管保護効果
が期待できる可能性がある
・ただし、飲んで症状が出る人は無理せず調整することが大切