健康診断では、体重やコレステロール、
肝機能の数値を気にする人が多いですが、
実は一般的な血液検査の数値の変化が
「隠れたがん」の発見につながることがあります。
特に重要なのは、「基準値を超えているかどうか」だけでなく、
“以前と比べて急に変化しているか”という点です。
がんの可能性を示すことがある代表的な3つの数値
ヘモグロビンとは
ヘモグロビンは血液中で酸素を運ぶ成分で
貧血の有無を調べる代表的な検査項目です。
一般的な基準値:
・ 男性:13 g/dL未満で貧血
・ 女性:12 g/dL未満で貧血
注意すべきポイント
貧血の多くは「鉄欠乏性貧血」ですが、
中には大腸がんなど消化器がんが原因の場合があります。
特に、
・ 今まで正常だったのに急に低下した
・ 原因不明の貧血
・ 男性の貧血
は注意が必要です。
研究結果
アメリカの18〜49歳を対象とした研究では、
貧血を指摘された人は、そうでない人に比べて、
5年以内に大腸がんと診断される率が
10倍以上高かったと報告されています。
推奨される対応
以下に当てはまる場合は、
一度精密検査を受けることが勧められます。
・ ヘモグロビンが急に低下した
・ 血便がある
・ 便通異常が続く
・ 原因不明の疲労感がある
血小板とは
血小板は血液を固める働きを持つ成分で、
通常の健康診断でも測定されます。
注意すべきポイント
過去2年間正常だった血小板数が、
急に45万/μL以上へ増加した場合、
がん発見リスクが高まることが報告されています。
研究結果
カナダの40〜75歳を対象とした研究では、
・ 血小板が急増した人の5.5%が2年以内に固形がんを発症
・ 一般の人の約2.7倍のリスク
でした。
特に関連が強かったがん:
・ 卵巣がん:7.1倍
・ 大腸がん:5.4倍
・ 肺がん:4.4倍
・ 腎臓がん:3.6倍
・ 食道がん:3.6倍
推奨される対応
血小板が急増した場合は、
・ 感染症
・ 炎症
・ 鉄欠乏
だけでなく、がんの可能性も考慮し、
医療機関で詳しい検査を受けることが重要です。
ヘモグロビンA1cとは
ヘモグロビンA1c(HbA1c)は、
過去1〜2か月の平均血糖値を反映する指標で、
糖尿病の診断に使われます。
正常値の目安:
・ 5.5%未満
注意すべきポイント
HbA1cが急上昇した場合、糖尿病だけでなく、
膵臓がんのサインである可能性があります。
研究結果
膵臓がん患者と健康な人を比較した研究では、
HbA1cが急に上昇した人は、
膵臓がんのリスクが約5倍高いことが報告されています。
特に、
・ 昨年まで正常だった
・ 急に血糖値が悪化した
・ 急な糖尿病発症
といったケースでは注意が必要です。
がんの可能性を示す健康診断の変化
① ヘモグロビン低下
→ 大腸がんなど消化器がんの可能性
② 血小板増加
→ 卵巣がん・大腸がん・肺がんなどのリスク上昇
③ HbA1c上昇
→ 膵臓がんのサインの可能性
健康診断では、「正常範囲かどうか」だけではなく、
・ 昨年との比較
・ 急な変化
・ 徐々に悪化していないか
を見ることが非常に重要です。
特に急な数値変化がある場合は、「様子を見る」のではなく、
早めに医療機関で相談することが勧められます。